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循環器内科インタビュー

INTERVIEW

循環器内科 診療科長

久保 隆史

[専門領域]]虚血性心疾患/冠動脈イン
ターベンション/血管内イメージング

循環器疾患から患者さんを救うため、
地域の先生方と共に戦う

東京医科大学八王子医療センターの循環器内科は、循環器救急診療に力を入れています。冠動脈疾患集中治療室(CCU)を持ち、緊急カテーテル治療が24時間できる体制を整えています。 2023年10月に診療科長に着任した久保隆史教授は、寿命を伸ばすことを重視した今までの医療に対し、これからは地域との協力を深め「患者さんが幸せだと思う医療」の提供が必要だと考えています。患者さんの幸せを第一に考えた医療を提供するため、地域の先生方と共に戦っていく姿勢です。

少しでも疑いがあれば、迷わずご相談を

循環器疾患には3つの柱があります。1つは狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、2つ目は不整脈、3つ目は心不全です。当科でも数多くの症例を手掛けています。
狭心症であれば胸の痛み、不整脈では動悸、あるいは健康診断で心電図異常を指摘される状況、心不全では息切れや脚のむくみなどの症状があります。軽い症状や疑い症例でも、遠慮なくご紹介ください。このほかにも、心臓弁膜症、心筋症、末梢動脈疾患、慢性血栓塞栓性肺高血圧症など循環器疾患に専門的な治療を行っています。
八王子医療センターは三次救急病院ということもあり、紹介することに気兼ねする場合もあるかもしれません。しかし、早い段階で専門的な検査・治療ができれば、患者さんも安心です。私たちは地域の先生方と共に、地域医療に貢献したいと考えています。少しでも疑いがあれば、気兼ねなくご紹介をお願いします。

循環器救急や心臓カテーテル治療、高度な検査診断が可能

当科は開設時から冠動脈疾患集中治療室(CCU:Coronary Care Unit)を持ち、東京都CCUネットワークに参加し、多摩地区の循環器救急に力を尽くしてきました。緊急カテーテル治療が24時間できる体制をとり、当直医だけではなく常に複数の医師が待機して、緊急時に対応しています。
また、心臓カテーテルを使った経皮的冠動脈形成術(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)やアブレーション、ペースメーカーといった循環器内科の専門的な治療ができる体制です。当科の特徴として、循環生理学や血管内画像診断学の先進的な技術を駆使し、質の高いカテーテル・インターベンション治療を行っています。外来では、心エコーや冠動脈CT、心筋シンチグラフィなど、高度な検査診断機器が使用可能です。

専門である血管内イメージングを用いた、精度の高い経皮的冠動脈インターベンション(PCI)

私の専門は動脈硬化や心筋梗塞です。光干渉断層法(OCT:Optical Coherence Tomography)の技術を使って、血管内イメージング(画像診断)の研究をしていました。血管内イメージングは、冠動脈の内部を観察し、動脈硬化の重症度を診断できる方法です。これまで病理でしか見られなかった病態を、初めて生体内で見た驚きはよく覚えています。血管内画像診断は、PCIの治療計画や効果の評価に活用されています。

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、狭心症や心筋梗塞で狭窄した冠動脈をカテーテルで治療する方法です。橈骨動脈や大腿動脈からカテーテルを挿入し、造影剤で冠動脈の状態を評価した後、狭窄した部分をバルーンで拡張し、必要があればステントを留置して血管を広げます。病変部が石灰化している場合は、特殊な器具で削る処置をします。外科的な開胸術に比べて侵襲が少ないため、高齢者や病状が複雑な症例に多く行われるようになりました。当科では、血管内イメージングを用いて、より精度の高いPCIに取り組んでいます。

循環器疾患から患者さんを助けるために、技術と経験を提供したい

私は和歌山県立医科大学を卒業後、国立循環器病研究センターでの研修を経て、米国ニューヨーク州コロンビア大学Cardiovascular Research Foundationに留学しました。帰国後は和歌山県立医科大学で講師、准教授を務め、2023年4月から東京医科大学八王子医療センター循環器内科に勤務しています。同年10月に診療科長、2024年7月に教授として着任しました。

学生時代はバレーボール部で汗を流していました。チームワークの大切さを学んだ経験は、現在のチーム医療の根幹となっています。
卒業の頃は救命救急に関心を持っていましたが、当時はICUができたばかりで救急の診療科はありませんでした。そこで、救命救急では心臓疾患が多いことから循環器内科を選びました。
循環器救急をしていると365日、病院に駆けつけられる場所にいる必要があります。現在は働き方改革で見直されていますが、時間や場所に制約のかかる生活を大変だと感じたことは、もちろんあります。それでもこれまで循環器の医師を続けて来られたのは、「命を救いたい」という思いがあったからだと感じています。
医師の仕事でも、人の生命を助けられる機会は案外少ないものです。人の命には限りがあり、自然の摂理には逆らえないと痛感することもあります。しかし、救命が必要な際に適切な処置をすれば、患者さんは危機を乗り越えることができ、その先の人生を続けることができます。生命を助けることができる診療科の仕事は、責任も大きいですが、本当に魅力的です。

地域の先生方と共に「患者さんが幸せだと思う医療」を目指す

これまでの医療は、患者さんの寿命を延ばすことに軸足を置いていたように思います。しかし、単に寿命を伸ばすことよりも患者さんの生活の質を改善し、心と体が元気であり続けるお手伝いをすること、「患者さんが幸せだと思う医療」の提供が、非常に重要なのではないかと考えています。
しかし患者さんには、病気になったら生活はどうなるのかといった不安もあるでしょう。病気を治すだけでは「患者さんが幸せだと思う医療」は実現しないのです。医療のシステムを、従来の病院と自宅を結ぶ直線的なモデルから、地域の先生方や福祉と連携して多角的なサポート体制に変えていくことが、社会から期待されていることだと思います。
疾患に対して専門的な治療を施すのは当院の役割ですが、患者さんを本当の意味で救うには地域の先生方、福祉関係の方々を含めた社会全体でのサポートが必要です。

私は地域の先生方と共に戦っていきたいと考えています。八王子医療センターでは、軽症から重症まで患者さんを受け入れています。地域の先生方に垣根を感じさせず、信頼してお声かけいただける病院でありたいのです。先生方と医師として同じ視座で、社会から必要とされる医療を一緒に行いたいと考えています。
当科では、人材育成にも力を入れています。医療には目の前の患者さんを思う気持ちが大切です。八王子に根ざした医師を育て、より一層地域に貢献できる医療体制を構築してまいります。

2年後の新病棟の建設で、より高度な循環器治療を

八王子医療センターの新しい病棟の建設が2年後にはじまり、医療システムも新しくなる予定です。病室や手術室の数が増えて、心臓カテーテルの装備はさらに充実します。手術室と血管X線撮影装置を組み合わせたハイブリッド手術室が設置され、心臓血管外科と循環器内科が共同してカテーテル手術治療を行えるようになります。カテーテルを用いた低侵襲の弁膜症治療など、さらに先進的な循環器治療が八王子地区で展開できるようになるでしょう。地域の患者さんや先生方のお役に立てるよう、新たな展開に期待しています。

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